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「……」
悪流は、無言で町の防壁を見上げる。
「……ここは、何区ですかね?」
「シラネ、人間の場所ってやたら変化するし、我あんまり行かんかったし」
ですよねー、と呟きながら、悪流は数歩下がり、走る。
そして地面を蹴り飛ばし、跳んだ。
防壁を超えて、悪流は地面に軽やかに着地する。
人通りは無く、それを見た者はいない。
「……とりあえず、宿ですね」
そう言って、悪流は歩き出した。
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