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「朝だぞー!! あんた、朝朝!コケコッコー!!!
イ゛ェ゛ア゛ァアァ゛!!」
頭の中に響く、とてつもなくやかましい声にアクルは目を覚ます。
ここは六区のとある村。 アクルは宿屋にいた。
「うほっ! 綺麗なお花!」
窓の外から見える、花畑を見て魔王が絶賛の声を上げる。 なんだかんだで女の人なんですねーとアクルは思った。
「昨日この区に不法侵入した時ゃ夜だったし、辺り一面が黒だよ……真っ黒ォオッ!!! 状態だったけど、いやーいい区に来たな!
あんた! 早く外を散歩するんだ!」
とんでもなくハイテンションな魔王に頭痛を感じながら、アクルはちょっと待って下さいよと呟く。
「朝御飯来るみたいですから、それ来たらにしましょう」
そう呟きながら、アクルは洗面所に向かう。
「……」
すっかり短くなった髪を鏡ごしに眺めながら、アクルは虚ろな笑みを浮かべた。
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