間章の一『聖女』

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 朝食のフレンチトーストをもしゃもしゃ食べながら、アクルは窓の外の、花畑の景色を眺めていた。      黄色や赤や、白いかったり。見た事の無い花も見てとれる。      数えきれる程度の蝶々が飛び交う光景を眺めながら、アクルはしばしぼんやりとしていた。      平和だなぁ、と。 このまま消えてしまえたら楽だなぁ、と。そんな他愛の無い事を。     「いやー、このフレンチなフレンチトーストは美味いなあんた、料理人は上手い、料理は美味い! うっは! 我巧い事言った!!!」      アクルは魔王の馬鹿発言も含めた上で平和だなぁと思う。        ………………。       「とりあえず、外にでも出てみますか」      軽く頭を振りながら、アクルは支度を始めた。
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