間章の一『聖女』

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「ほらー、あっちもああ言ってんじゃん?殺る気なら、視線そらした時点で何か仕掛けるだろ。常識的に考えて」  魔王から常識という言葉が出てきた事に軽い驚きを覚えながらも、悪流はとりあえず銀色の大剣を消す。  すると女性はニッコリと微笑んだ。 「有り難うございます。私はヴァルア・デメテェル。よろしくお願いします」  ペコリと頭を下げるヴァルアに対し、悪流は軽く頭を掻く。 「……檜山、悪流……です」  辺りを見回すと、何と無く景色が変わった気がした。  花はやっぱり綺麗で、少なくとも無機質なものではない。  変だな、と悪流は首を傾げるが……まぁどうでもいいかと判断してヴァルアに視線を向ける。 「……それで、あたしに何の用でしょうか?」  とりあえず、意図が解らないので悪流は尋ねる。
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