間章の一『聖女』

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「……そうですね。」  少しだけ目を伏せて、ヴァルアはニッコリと微笑む。 「何といいますか、放っておけなかったんです。  ……納得、して頂けますませんか?」  あまりにも真っ直ぐに言われて、悪流は困惑気味に目を背ける。 「十二聖護士……何でしょう?あたしは、敵のはずじゃないですか。  ピスケラさんだって、次会ったら見逃さないって言ってたですし……」 「……確かに、十二聖護士として失格の行為かもしれませんが」  ゆっくりとヴァルアは悪流に歩み寄り、軽く屈んで頬を優しく撫でる。 「でも、貴女はちゃんと人間ですし、私は――――間違った事何てしていませんって、胸を張れますよ」  そう言って、とても優しく微笑むヴァルアを見ながら、悪流は下唇を噛みながらうつ向く。
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