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「それに、魔族であっても……争いなんてしたくありませんし」
そこまで言って、ヴァルアは軽く一息つく。
「よろしければ、家に来ませんか?
少し、羽根を休めて行って欲しいんです」
その言葉に、悪流はズボンの裾を握りながら少し小さく華奢な肩を揺らす。
「いいじゃあまいか、せっかくだから行こうず行こうず!」
「でもっ……」
そんな様子を眺めながら、ヴァルアは少し可笑しそうに笑った。
「貴女の中にいる、魔王さん? もそうおっしゃっておりますし……ね?」
「…………ッ!!!!?」
思わず魔王が反応し、悪流も目を丸くしながらヴァルアを見上げた。
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