間章の一『聖女』

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「それに、魔族であっても……争いなんてしたくありませんし」  そこまで言って、ヴァルアは軽く一息つく。 「よろしければ、家に来ませんか?  少し、羽根を休めて行って欲しいんです」  その言葉に、悪流はズボンの裾を握りながら少し小さく華奢な肩を揺らす。 「いいじゃあまいか、せっかくだから行こうず行こうず!」 「でもっ……」  そんな様子を眺めながら、ヴァルアは少し可笑しそうに笑った。 「貴女の中にいる、魔王さん? もそうおっしゃっておりますし……ね?」 「…………ッ!!!!?」  思わず魔王が反応し、悪流も目を丸くしながらヴァルアを見上げた。
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