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少しの間、ポカンと口を開けたままヴァルアは固まる。
「いきなり目の前で行われる自傷行為にドン引きしてんじゃね?」
そして、事の元凶である、KY大魔王の、この発言である。
確かに、こいつは魔王であった(いろいろと駄目な意味で)
「……ありがとう」
柔らかな微笑みを浮かべながら、ヴァルアは悪流に歩み寄り……その華奢な体を優しく抱き締める。
「……でも、もうそんな真似は、絶対にしないで下さい。」
静かに、戒める様な言葉に……悪流は思わず表情を変える。
「あ……の、ごめんなさい……あたし、その」
「いえ、いいんですよ。貴女の気持ちは、とても嬉しかったですから。
とても、優しい人ですね……貴女は」
「優しく、何かないです。あたしは、ただ……」
そんな様子に耐えきれなくなって来た我らが大魔王は、あー、おほん、と軽く咳払いみたいな声をあげる。
「まぁなんだ、我が悪かった。本当にすまなんだ、ガチでサーセンですたい」
さすがに罪悪感が芽生えたらしい魔王は、そんな謝罪をした。
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