間章の一『聖女』

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「さて……と」  う~んとキャンスァルは、軽く腕を組む。  現在、自分は行方不明で捜索されている事だろう。  とりあえず、命だけはどうにか助かったという事で四区に戻ろうかとも思うが、そしたら自由行動は取れなくなるだろう。  あんだけかっこつけて、音兎と別行動ってのもかっこ悪いし約束破りみてーになりそうだしなぁ……。  かと言って、音兎をとりあえずお供の者として連れても、ライブル先輩に身元調べられたらマズイ事になるし、アエアリス先輩と面識ありらしいからすっげぇマズイ。 「……はぁ~……どうすっかね」  とりあえず、赤い髪は目立つので無難に薄い茶髪くらに染めた。  服装も大幅に変えたから、簡単にゃ解んねぇだろ。別に兵士とか全員が、オレの面知ってるわけねーし。  ……同じ十二聖護士に遭遇したら、マズイだろうなぁ。  キャンスァルは、何度めかの溜め息を吐き出した。
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