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「おう、どうしたァ……?」
森の中、隣を歩く音兎に問われてキャンスァルは苦笑する。
なんだかんだで、こいつも結構まいってるみてぇだしな。ここは、しっかりしねぇとな。
「とりあえず、六区に向かおう」
あそこにはヴァルア先輩がいる。あの人なら、力になってくれるかも。
すっげぇ迷惑かけちまうのは気が退けるけど……仕方ねぇよな。
とりあえず、少しでも自由に動きたいし。
「六区ったら、やたら平和なあそこかァ……」
「知ってんだな、とりあえずそこの十二聖護士に会って……とりあえず、オレは生きてるって報告と、上手く動くためにゃどうすべきか相談してみたいんだよ。まぁ、どうなるかは解んねーけど」
音兎は無言でタバコをくわえた。
「ま、宛てもねぇしなァ……」
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