間章の一『聖女』

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「おう、どうしたァ……?」  森の中、隣を歩く音兎に問われてキャンスァルは苦笑する。  なんだかんだで、こいつも結構まいってるみてぇだしな。ここは、しっかりしねぇとな。 「とりあえず、六区に向かおう」  あそこにはヴァルア先輩がいる。あの人なら、力になってくれるかも。  すっげぇ迷惑かけちまうのは気が退けるけど……仕方ねぇよな。  とりあえず、少しでも自由に動きたいし。 「六区ったら、やたら平和なあそこかァ……」 「知ってんだな、とりあえずそこの十二聖護士に会って……とりあえず、オレは生きてるって報告と、上手く動くためにゃどうすべきか相談してみたいんだよ。まぁ、どうなるかは解んねーけど」  音兎は無言でタバコをくわえた。 「ま、宛てもねぇしなァ……」
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