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「アドロメア、アドロメアいますか?」
ヴァルアが中に入り、人の名を呼ぶ。
中は、小さな頃に入った事のある教会と、だいたい同じような造りであった。
真ん中に飾ってある大きな十字架を見ながら、文化はそれほど変わらないんだなぁと軽く感心する。
「こっちこっち、こっちだよ!」
いきなり背後から声が聞こえて、悪流はびっくりして振り返る。
気配も何もなく現れた女性を見ながら思わず間合いをとろうとして、椅子に躓きこけた。
「あっはっはっはっはっはっは!!!あっ!痛い!義理姉さん痛い!」
大爆笑している、栗色の短めな髪をした女性の耳を、ヴァルアは少し怒った様子で引っ張る。
そんな様子を、悪流はキョトンと眺めていた。
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