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「その、大丈夫ですか?」
「あっ、は、はい……ちょっとびっくりしただけですから」
ふらふらと立ち上がる悪流に、魔王があんた驚きすぎとか笑う。
いきなり背後から大声が聞こえたら誰だって驚くと思うけどなぁと悪流は思う。
「やー、悪かったね。えーと?」
「あ、悪流です。檜山 悪流」
「変わった名前だね。あたしはアドロメア。まぁよろしくね?」
ケラケラと笑いながら握手を求めるアドロメアに、悪流は少し困惑した様子でその手を握る。
そんな様子を、少し微笑ましげに眺めながら、ヴァルアはさて、と呟く。
「私は少し見廻りに行って来ますから、適当に寛いでいて下さい。
アドロメア?変な事しちゃ駄目ですよ?」
解ってるよと苦笑を浮かべるアドロメアを眺めながら、一礼してヴァルアは歩いて行く。
「まさかの放置プレイ……だと?」
と魔王は思わず呟いた。
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