間章の一『聖女』

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 外に出て、悪流は空の月を見上げる。 「どした?」  魔王に問われて、悪流は怪訝そうな表情で呟く。 「魔王さん。魔王には、あの月はどんな風に見えます?」 「……?  いや、普通に綺麗だぜよ?ビューリフォウビューリフォウ!ビュリフォォォウぅ!!」 「……」 「あ、ちなみに今のは最後だけひらがなってのがポイントな?」  魔王の発言を無視しながら、悪流は月を睨む。  なんというか……油絵みたいな空に見えた。  少し目を凝らすと、いつの間にか元の景色に戻っている。 「……あたしの体、何か変みたいです」 「そだな。十五歳にしちゃ貧相だよな」 「……はぁ。」 「ちょっ!めちゃめちゃ呆れられた件!」 「そりゃ、呆れもしますよ」  そう言って、悪流は苦笑いを浮かべる。
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