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外に出て、悪流は空の月を見上げる。
「どした?」
魔王に問われて、悪流は怪訝そうな表情で呟く。
「魔王さん。魔王には、あの月はどんな風に見えます?」
「……?
いや、普通に綺麗だぜよ?ビューリフォウビューリフォウ!ビュリフォォォウぅ!!」
「……」
「あ、ちなみに今のは最後だけひらがなってのがポイントな?」
魔王の発言を無視しながら、悪流は月を睨む。
なんというか……油絵みたいな空に見えた。
少し目を凝らすと、いつの間にか元の景色に戻っている。
「……あたしの体、何か変みたいです」
「そだな。十五歳にしちゃ貧相だよな」
「……はぁ。」
「ちょっ!めちゃめちゃ呆れられた件!」
「そりゃ、呆れもしますよ」
そう言って、悪流は苦笑いを浮かべる。
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