間章の一『聖女』

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「つーかさ」 「駄目ですよ?」  魔王が何かを言いかけたが、その声に遮られる。  悪流が振り返ると、ヴァルアが少し悲しそうに微笑んでいた。 「その子達だって、ちゃんと生きているんですから……」 「あ……」  気が付くと、周りは今朝の花畑の真ん中。  どうやら自分は、話を踏みにじりながらここまで来たらしい事に気付き、悪流は目を伏せる。 「ご、ごめんなさい……あたし――――」 「大丈夫です。まだ、朽ちてはいませんから」  ヴァルアがニッコリと微笑むと、優しい金色の光りが辺りを包む。  踏みにじられた華々が、徐々に元通りになって行く。 「……外傷なら、いくらでも癒せますから」  悪流から視線をそらして、花畑を眺めながらヴァルアは呟き、再び悪流に視線を向けた。
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