間章の十六、『美しい名前』

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「まぁ、先代は巨乳が良かった。 と嘆いてたけど歴代魔王の九割九部九厘が貧乳だから無駄なんだけどな。  だからどう足掻いてもアクルたんは永久貧乳だ。うっは!テラバロス!」  ゲラゲラ笑う魔王を、悪流は微妙に眉をひくつかせながら見上げる。 「ああ、ちなみに男魔王も大体小さいな。先代魔王も、生きてるうちに会った事あるけど小さかったぞ?」 「……? 何が小さいんですか? 身長?」 「うむ。ナニが小さいな。」 「え?」 「つまり、ちん……」 「いいです。もういいです。」  顔を真っ赤にしながら首を振る悪流に対し、魔王は大笑いをする。  でも、と悪流は思う。そういうのを見せたって事は、魔王さんは先代の最低さんとそういう関係だったのかな?  聞いても魔王は気にしないだろうが、何となく聞くべきじゃない気がした悪流は、夕焼けに照らされた魔王の笑い顔を眺めていた。
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