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「……あたし、万龍をこの手で倒します。」
和やかに、あれこれ下らない会話の後にふと悪流は呟く。
「おー……やっぱり、憎いか?」
「はい。やっぱりまだ憎いです。」
キッパリと、悪流は周囲の華を見詰めながら呟く。
「……殺すかどうかはこの際置いていて。
この気持ちに決着をつけなくちゃ前に歩けないって思うんです。だから、あたしはあたしのままに。
この気持ちはこの気持ちのままに、万龍に……あの方に、真っ正面から全力でぶつかってみたいと思うんです。」
それを聞いて、そっか、と魔王は呟く。
「復讐心はあえて残したままでか。
ん……消せないなら、それでいいと我は思。どんな形であれ、それが過去との決別になるんならな。
アクルたんは、自分のそれらをしっかりと真っ直ぐに見据える事が出来てる。なら、きっと大丈夫だな。」
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