115人が本棚に入れています
本棚に追加
「……うきゃきゃ、まだ……死ね、ませんぞォ……。」
山道を、擬猿はふらふらと歩く。自分が気絶している間に、元気満々なジェミニア隊やら、走馬やらエリスやら他負傷者の活躍により部隊は壊滅したらしい。
だが、儂はこうして生きている。
辛うじて道になっている道を見付けて、擬猿はホッと一息。そして歩き出す。
「……おかしい、ですなぁ……?」
擬猿は顔をしかめる。ここらの道は何度か通った事がある。
明るい月に照らされた道……そろそろ集落が見える頃なのですが……こんなにこの道は長かったか?
道の先は、暗くて何も見えない。
「ちなみに、その先は常世まで続いているよ。」
背後を擬猿は振り返る。そこには、一人の青年が立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!