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「キャンスァルさん、右手……。」
「あー……ま、こういう事もあるって! オレの怪我はオレの自己責任だし、アクルが気に病む必要ないだろ?」
音兎もな? とキャンスァルは苦笑混じりに音兎を見る。音兎は、静かにちょっとだけ笑った。
「……まぁ、食えよ。な?」
キャンスァルに言われて、アクルはコクンと頷き魚を頬張る。
「美味しいです。ありがとう、キャンさん。」
「ん。オレが作ったわけじゃねーけどな。」
快活に笑うキャンスァルに目を細めて、アクルは音兎を見る。
「あれから……どうなったんですか?」
「……とりあえず、あの戦いは私らが制した。」
音兎は少しだけ目を伏せながら話す。
「色々と話し合いになってよ。とりあえず、万龍の奴を放置してると互いにメリットがないって話しになったんだ。」
キャンスァルは苦笑混じりにそう言う。発案はエリスだ。
とりあえず第三の敵を作ってそっちに目を向けさせるつもりらしい。
ピスケラはともかく、アエアリスは不満そうだったが……ジェミニアが今は争うのはまずいだろうと主張した。
人間側としては、人王ゼースは死亡していて聖護士達のまとめ役、タリアス・アルナスルが裏切り最強のリュオは音信不通。
ライブル等の主力も欠いた状態で完全状態の万龍や従虎等が攻めて来たら一切の勝目が無いと。
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