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「黒髪のみつあみだっけ?」
ジェミニアの言葉に、ああ、とキャンスァルは頷く。
まぁ、ヴァルア先輩によるとみつあみは切ってしまったらしいが。
「……」
ふと、アクルが自分のみつあみをとても気に入っていた事を思い出す。
詳しい事情は知らないが、母親に唯一誉められた、と言っていた時のあの表情。
……どんな気持ちで、切っちまったんだろうな。
「……」
一瞬、聞き返した時目が泳いだ?
……泳いだね。ジェミニアは何やら考えるキャンスァルを眺める。
「本当にみつあみ?」
なんとなくまた聞いてみると、キャンスァルは軽く眉をひそめる。
「ああ、少なくとも、オレが見た時はな」
まぁ、嘘じゃあねぇよな?
「何か、報告とかあったか?」
「いや?普通、髪型とか変えるよなーって思って」
キャンスァルは軽く苦笑した。
「思い入れでもあるんじゃねーの?」
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