間章の二『三区にて』

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「ふぅん。よく髪型ホイホイ変えるキャンと違って?」 「……」  微妙な表情をしながら、キャンスァルが腕を組む。 「いやな、オレはあれだよ。毎回毎回思いはこめてんだよ、けどな?」  ジェミニアは軽くほほえんだまま紅茶を口に運ぶ。  笑みを浮かべたままクッキーに手を伸ばし、語るキャンスァルを眺めていた。 「……聞けよ。オレが馬鹿みてぇじゃん」 「えっ」 「えっ?」 「違うの?」 「あのなぁ……いや、まぁ否定出来ねぇかもしんねぇけどよ、もう少し……」 「よし、話し戻そっか」  ニヤニヤと悪戯に笑うジェミニアを見ながら、キャンスァルはそうだな、とひきつった笑みを浮かべた。
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