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「……」
最近は本当に、現実味がなくなってきたなぁと悪流は思う。なんというか、変な感じだ。
攻撃を受けながらも平然と反撃してくる悪流に恐れを成して、盗賊達は逃走を開始している。
悪流としては、追うにしても別にメリットは何もない為にぼんやりとそれを眺めていた。
「つーか、おまいはいい加減ノーガード戦法をやめんさい」
逃げて行く盗賊達が、まるで出来の悪いポリゴンの様に見えてきた頃に魔王の声が頭に響く。
「……最近、生きてるってのが解り難くて……すいません、魔王さん」
悪流は適当に木の上にある木の実を見付けて、その手に握る水の刀を植物の槍に変えて、地面に突き刺す。
「……!」
同時に、悪流は近くに……まだ何処かは解らないが、魔族の気配を感じる。
「……」
最近、時々感じる事のある気配……。
何処かは解らないので仕掛ける事は出来ないが……いずれ……。
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