115人が本棚に入れています
本棚に追加
/442ページ
「――――そういう訳だからよ、おめぇたぁここまでだ」
重々しく、音兎はキャンスァルに対してぼやく。
「万龍の旦那にもバレちまったし、これから先いろいろ厳しくなる。 十二聖護士も一人くたばっちまったしな」
ぽつぽつと呟き、音兎はタバコをくわえる。
「……いろいろ迷惑かけて悪かったな、お前はやっぱ、お前の居場所を選ぶべきだろ? さっさと帰りな」
キャンスァルはしばらく音兎を見つめて頭を掻く。
「……ちょいと待ってくんね? 考える時間くれよ」
「いらねーだろ。 馬鹿じゃねぇかお前」
そうだよ馬鹿なんだよとキャンスァルは頭を掻きながら目を閉じる。
思い出すのは自分の区と、仲間達の顔と……。
だけどよ……。
最初のコメントを投稿しよう!