間章の三『カケラ』

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 さてさて、魔族と人間か……どーなるんすかねぇと、情報屋の異守(イモリ)は考えていた。  ぶっちゃけ万龍さん末期だから、魔族の脅威は少なくはなるだろうが、人間と魔族の共存なんて出来んのかな? 「……ん?」  異守は人間とも魔族ともつかない気配を感じて立ち止まる。ごっちゃにしたみたいな……。 「……まさか?」  そろり、そろりと気配を消しながら歩み寄ると、茶色いマントにくるまりねている少女を見付けて目を見開く。  ……まさか、魔王?なんでこんな所に……。  てっきり五区についてると思っていたのだが……ここらは七区の辺りだ。はっきり言って、魔族の自分的には一番の危険地帯である。  ……忠告くらいしてやるかな?  やれやれと頭を掻きながら近付こうとして、ん?と呟く。何やら足に植物のツルが巻き付いていた。  いつの間に?と思い、ほどこうと思ってしゃがみこみ、ふと魔王に視線をむける。  すると魔王の少女のすぐとなりに、何やら槍が突き刺さっていて、大きな目がこちらを見ている。  バレた、のバの字が思考に出ないうちに、魔王の少女はすでに異守の懐にいた。
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