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悪流の手から赤い花が咲き。それから茶色の長い真っ直ぐの枝が生えていき、花は先が蕾の様に代わり、尖った円錐状の物に変わる。その形はすぐに槍になった。
それを地面に突き刺すと、植物のツルが蠢き、魔族の足を捕らえる。
捕らえたのを確認したのと同時に、槍は花弁となって消えて、足元に風が集まりローラーのついた緑色の靴が現れる。
次の瞬間、悪流は魔族のすぐ近くまで接近していた。
「――――!」
悪流としては、ここまでスピードが出るとは思わなかったものの、せっかくなので勢いに任せて蹴りを放つ。と、魔族は木を薙ぎ倒しながら吹き飛んで行った。
「……」
先制攻撃出来たのはいいが、まさか死んでいないだろうか?と悪流は少し不安になる。
死んでしまったら、万龍の居場所が聞けない。そんな事になったら、せっかくのチャンスがフイになってしまう。
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