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「お、オーライ、とりあえずあれですよ、話し合わないッスか?
ほらオレらせっかく言葉が通じる訳ですし、こうやって言葉を交わせる事によって親睦とか深まってですねぇ……」
「……」
無言で悪流は異守を眺め、その手をキラリと光らせる。その手には銀色に光り輝く大剣が握りしめられていた。
やる気満々じゃあねぇすか。
「ちょっ!ま、待って下さいよ、アレッスよアレ。慌てるなんとかは貰いが少ないとか……ハハッ!ま、まぁ落ち着いて下さいな、ね?」
「……」
大剣がバチバチと火花を散らしたかと思えば、電光を纏う黒いハンマーに変わっていた。さっきのよりゴツイ。
げ、ゲェッ!?
「ま、ま……あ、あー!そういや音兎の姐さんが探してやしたぜッッ!」
ハンマーを振り上げた悪流が、ピタリと止まった。
その黒い瞳が静かに揺れた。
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