間章の三『カケラ』

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 復讐に濁ったその目を見て、息を飲みながら異守は考える。教えたら間違いなく突っ込むんだろうなぁこの娘。  今、何やら万龍が倒れたみたいだから好機と言えば好機だが……十二支が皆揃ってるらしいし、無理だろう。従虎と狂狼のツートップもいるらしいし。擬猿がいないのは救いだけど。  まぁ、それ意外にも十二支集結してるからなぁ。間違いなく死ぬだろうなぁ……。 「す、すいやせん……万龍の居場所は解らないんすよ……」  とんでもなく疑惑の目を向けてくる悪流を見て、異守はまたも息を飲む。 「オレにもよく解らないンスけど、何か急に場所変えしまして……十二支の連中しか、知らないみたいです……」 「……」  一瞬その目が暗く沈んだかと思えば、急にしゅんとした表情に変わる。 「……音兎さん、元気そうでした?」 「へ?ああ、はい。相変わらずの姉御っぷりでしたよ?」  悪流は小さく息を吐き出す。腕でもぶった斬って問いただそうと思ったが、音兎さんの友達なら斬れない。
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