間章の三『カケラ』

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「その方が監視して、伝令役……テレパシーだとか出来る魔族の方が上手く伝えたんだと思うんすよ」  そこまで言って、しまったなと異守は思う。  悪流の大きな瞳がまた、泥水のように濁った。  一見綺麗な水を、かき混ぜたら土や泥が舞い上がったような、そんな印象を受けた。 「その蛇影って、どんな方なんですかね?」 「あ、あーはい。白髪と白い肌が特徴的ですね。目に包帯巻いてて、服装は死に装束だからすぐ解ると思います。」 「……すぐ解りそうなのに、よくバレないですね」 「そんだけ、気配を殺し闇に紛れるのが上手いんですよ」
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