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「クハハッ、タリアスだっけか?あいつの言う事、おめー信用出来るかい?」
天鵬は軽く一息吐いて手を組む。
「万龍を治せるという話しですか?そもそも、私は人間である彼らが信用出来ませんよ……」
「あら、それは酷いわね」
古城の廊下を歩いていると、通路脇の部屋から出てきたエリスが軽く微笑みながら天鵬と従虎に声をかけた。
寒くもないのに、かなり北から来たのかという程にもっさりした暑そうな服と、人形の様に整ったその顔は、非羊にそっくりだと天鵬は思う。
「私が、せっかく非羊達が裏切り者だって教えてあげたんじゃないのよ。今更信用していないってのはないんじゃあないかしら?」
造られたかの様なその笑みを見ながら、天鵬は軽く一息吐く。
「で、貴女の目的はなんなのですか?」
「さぁ。なんだと思う?」
エリスは天鵬を見上げたままそう言って、そのまま歩いて行った。
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