序章、道なき道の上

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「……」      そんなやりとりを見ながら、コルピオは物凄く呆れた様な顔をする。     「……やれやれ、本当になんというか」      溜め息を吐きながら、棺の中にいるカプリコに視線を映す。     「まったくもって、変わらんな彼女は」      何も返答が無い事は承知でコルピオは呟く。      はてさてどうしたものか。     「ジェミ君。 ヴァルア君はどんな調子だった?」      歩いて来る、白い袖の無い上着と長く黒いズボンを身に着けた、ボサボサ黒髪の少年に尋ねると、少年はやや生意気そうな顔を曇らせながら頭を掻いた。     「ん~と、泣き疲れて寝てた」      それを聞いて、そうかと軽く息を吐く。      タリアスとタウルスは、明日には来るだろうとして……リュオはいまだに音信不通か。      やれやれと呟くコルピオの隣に、白い髪の少女、エリスが並ぶ。
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