序章、道なき道の上

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「リュオはやっぱり来ないみたいね」      クスクスと、人形の様な、人間味の無い顔を微笑ませながら、からかう様にエリスが呟く。     「まぁ……仕方ない。一応、十二聖護士として仕事しているだけマシだよ」     「それはそうだけど、勿体ないわよね」      微笑みながら、作り物の様な目を辺りにさまよわせながらエリスは呟く。     「私達、十二聖護士の中でも最強と言える程に強いというのに」      ふぅむ、とコルピオは軽く口許を押さえる。     「まぁ……いずれは、真面目にしてくれるさ」     「あら、彼は昔から真面目じゃない。真面目で優しいわ。  だから、ふぬけたんじゃない」     「相変わらず、毒を吐くな君は」      コルピオは呟く。      この少女とは長い付き合いであり、実は少女といえる年齢では無い。      自分と同じく、ニ十と八か。     「しかしまぁ……いつ見ても十代前半だな君は」      ポン、と頭を叩くコルピオに対し、エリスは微笑みながら言った。     「ぶち殺すぞ眼鏡」
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