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村の外には広大な草原が広がり、動植物の数が自然の豊かさを表している。
「ミニドランはどうやら東側らしいな」
リュウは一人ごとを言いながら、東へと向かった。
一方スイはリーパーの出現する森に来ていた。
「一体どこにいるんだ…?」
スイがしばらく歩くと広い空き地にたどり着いた。
その空き地の奥になにやら人が倒れている。
「…?」
スイは近づいて、見てみると、
「これは…!死体か!?ひどい…。」
そこにはリーパーに殺された無惨な死体があった。
その時、スイは、頭上に気配を感じ、後ろに跳び退いた。
バシャシャシャ
上からリーパーの粘液が降って来る。
地面からは粘液により発生した蒸気が立ちのぼる。
直後、リーパーが降って来る。
「う…。」
その迫力と悪臭にスイは一瞬たじろいだ。
リーパーはその一瞬を逃さず、スイに飛び掛かる。
バッ
間一髪。
スイはリーパーの鋭い爪による攻撃をかわした。
「喰らえ!!」
ガキィン!
スイの剣はリーパーの堅い殻に阻まれる。
「…な…!?」
ヒュッ
ドガン!
スイはリーパーの腕に吹き飛ばされた。
スイは薄れゆく意識の中で自分の体が奥底から来る何かに支配されるのを感じた。
「ブツブツブツ…。」
呪文のような言葉が終わると、スイの剣からは漆黒の炎が立ちのぼる。
「なってねぇな!相棒!!こんな雑魚にやられるなんてな!!」
ズバァン…
ゴトッ
リーパーは力なく崩れ落ちた。
その身に黒き炎を纏い…。
「ひゃっはっはっはっは!!ついに身体を手に入れた!!」
覚醒したスイは森の奥深くへと消えていく。
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