*第一章*

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暗闇に堕ちたと同時息が苦しくなった。 まるでプールの中に長時間潜っている感覚。 (い、…息が…) したくても出来ない、今息を漏らせば死んでしまうのでは?と思う位息が続かない。 『気負いしないで、ゆっくり吸って吐いて…何も考えないで』 【声】が囁く。 だから今は言う通りにしてみる。 ある意味『博打』のような選択だった。 (吸って…吐いて…吸って…) 自分に言い聞かせながら深呼吸をすれば何だか楽になった気がする。 暗闇も目が慣れたのか、然程暗くなくなった。 『さぁもうすぐですよ』 【声】は楽しそうに言った。
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