春風

10/13
前へ
/13ページ
次へ
「~で、将来はスクエニに入って、面白いゲームを作りたいと思っています」 何人かの自己紹介が終わる 「スクエニかぁ~競争率高そうだけど、まぁ、頑張って!」 「先生まぁって投げやり~」 「夢を壊すなぁ~」 だんだんと生徒達と打ち解けてきたようで、緊張も解けてくる 「現実は甘くないぞ~、次はっと…」 出席の名簿を見ると少し変わった名前が書いてあった 「え~っと…あまがみ?りょく?」 取りあえず、呼んでみたものの…、誰も返事をしない 「あまがみ君?」 (なんて読むんだ?この名前?) その時、カタッとイスを引く音がした 「先生、それ多分僕の事じゃないですか?」 そう言って立ったのは、あの少年だった 「えっあぁ」 思わず、どもってしまう 少年はくすっと笑って 「でも、りょくでも構いませんよ、先生」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加