春風

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「そ、そうか…では、りょく君、自己紹介を」 (落ち着け自分、何を動揺してるんだ) 少年は「はい」と返事をして裕司に向かってニコリと笑顔を作る 中性的な魅力のある笑顔だった ドキリと裕司の胸が脈うつ 「本当の名前は(りょく)じゃないんだけど…先生が呼びやすいならそれでもいいですよ」 少年は、冗談ぽくそう言うと、生徒達くすくすと笑う 「あまがみ、りょく(笑)です、趣味は…読書です後、特技はアヤトリ…かな?」 「アヤトリってあの紐使ってやるあやとり?」 隣りの席の女子が、不思議そうに聞いた
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