春風

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彼の名前は藤原裕司(ふじわら ゆうじ)24歳 身長は175センチぐらいの細身で、短かすぎない柔らかそうな茶色の髪が、風にフワリとなびいている 「6年なんか、無駄に知恵を付けてる年頃だし…中学受験やら何やらで、親も子供もピリピリしてるだろうな…はぁ…面倒だな…」 ぶつぶつと文句をいいながら、入学式と書いてある大きな看板の横を通り、校舎に入って行く 「おはよーございます~」 低学年の子供達が、自分に向かって、挨拶をしてきた 「おはよう」 ニコリと笑顔をつくり、返事を返す (ああ…低学年の子達は、純粋で可愛いな…) はぁっと、溜め息出た 純粋に子供が好きで、将来の夢は、小学校教師とずっと心に決めていたが、いきなり高学年のしかも、副担任ではなく担任だとは… 「早く産休終わんないかな…藤森先生…」 ベテランの女性教師が担任に戻って来たら自分は副担任だと、そう聞かされていたので、それだけが、小心者の彼の心の支えだった
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