気になる視線

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体育館に着くと、すでに胡桃が練習もとい準備をしていた。 及川 胡桃(オイカワ クルミ)、Alf hornのベース兼コーラス担当だ。 「よぉ! 相変わらず早いな」 「別に……これが普通だ」 胡桃はそれだけ言うと音の調整に戻った。 胡桃は背中辺りまである髪を三つ編みしているメガネっ娘だ。 綺麗な顔立ちをしていて美人だと思う。 ここだけの話……自分の胸が小さい事を気にしてるとこが、ちょっとかわいい。 ギャップってやつ? 「胡桃、今日もおっぱい小さいな……」 「んなっ……せ、セクハラで訴えるぞ!」 動揺する姿がまたいいね。 そんなやり取りをしながら俺もギターをチューニングする。 しばらく会話が途切れる。 「なぁ、胡桃?」 「ん……なんだ?」 「恭介とはどうなった?」 「……へっ?」 「もう告られたのか?」 「ば、馬鹿な事言うな! あ、アイツが私の事を好きなはずないだろ!!」 やっぱり動揺する胡桃。 「やっほぉーい!」 体育館の扉が乱暴に開けられる。 「っひゃう!」 跳び上がる胡桃。
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