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「おぉ!!
二人とも早いなぁ!」
元気よく入ってきた男は、Alf hornのドラム担当の長谷川 恭介(ハセガワ キョウスケ)。
背は高くないく、その事がコンプレックスになっている。
人懐っこい顔で、たまに笑顔に癒されてしまうのは……内緒だ。
「恭介、早くドラムセッティングしちゃって」
俺が言うと恭介は人差し指を振った。
「チッチッチッ……甘いぞ和樹。
すでに昨日の内にセットしておいたのだよ!
はっはっはっはっはー!」
「うん、知ってるけど……そのあとに先輩が使ってたから、多分替わってるぞ」
「……な、なにっ!!」
「わ、私がさっき直しておいてやったぞ」
胡桃が少し顔を赤くして恭介に言った。
「……ほ、ホントかっ!?
さすが胡桃だぁ!」
恭介は馬鹿笑いしながらステージに上がってきた。
「いやぁ……ありがとな。
あとは微調整だけでオッケイだわ」
「胡桃、それで早く来てたのか?」
はしゃいでドラムを叩いてる恭介をほっといて、俺は小声で胡桃に聞いた。
「う、うん……どうせ恭は遅くに来ると思ったし」
「胡桃、きっといいお嫁さんになるわ」
「だ、誰が恭のお嫁さんだっ!」
いやいや、誰もそんなこと言ってないし……
なるほど……こりゃあ結構、重傷だな。
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