気になる視線

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次に俺はドラムを馬鹿叩きしてる恭介に近づいた。 「よぉ、どうだ? 愛しの胡桃ちゃんがセットしてくれたドラムは……」 「……んなっ!!」 俺が耳元で囁いた瞬間、恭介の持っていたスティックが宙を舞った。 ――カランッ―― スティックは胡桃の足元に転がった。 「……わぁお」 俺は一人で楽しんでいた。 「……こ、こここれ」 さっきの俺の言葉で動揺してる胡桃は、吃りながらスティックを渡す。 「おおおぉ! あ、ありがとなっ!」 恭介は顔を赤くしながら慌ててスティックを受け取った。 手と手が触れ合ってドキッ、って事にはならなかったけど。 まぁ、面白いもんが見れたからいいか…… 「あと来てないのは翔太だけだな」 「まぁ、アイツはいつも遅刻ギリギリだから、まだ来ないだろ」 恭介がケラケラ笑いながら言う。 「……誰が来てないって?」 突然、後ろから声が聞こえる。 「なっ……翔太、いたのかよ!?」 「当たり前だ……遅刻ギリギリに来るはず無いだろ」 「はははっ……そ、そうだな」
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