とうもろこし

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家が近い俺達は 毎朝、一緒に学校に行った。 同じ学年で中学が一緒だった人が雨美だけだったし。 クラスのやつらに 冷やかされるが 別に嫌じゃなかった。 前の席の川田に いつも聞かれる。 「お前らさあ、 付き合ってねーのか?」 「付き合ってねーよ。 大体そんなんじゃねぇし。」 雨美は そう思ってんだろうな…。 川田は笑いながら言う。 「もう付き合えばいいのに。 崎本もお前の事好きだろうし。」 「雨美が?んなわけねーだろ。 ただの中学からの同級生としか思ってねぇって。」 そんな事を話していると教室のドアが勢いよく開いた。 入ってきたのは このクラスの委員長、 松宮朱美(まつみやあけみ) 荒い息を漏らしながら 松宮は叫ぶ。 「ハァ…ハァ… あ、あたしの携帯が… …盗まれちゃった!! どうしよう!?」 盗まれた その言葉に いち早く興味を示したのは 自称探偵の雨美だった。
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