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俺は目を見開いた。
初めて彼女を見たその衝撃。
まるで稲妻のような一線、言葉では言い表せない感情が心の中で駆け巡ったのだ。
そして、幸運が舞い込んだ。
彼女と目が合ったのだ。
いやそれどころか、彼女はこちらを見ていたのだ。
自惚れでもなく彼女も俺を見ていたと俺は確信している。
このまま見つめていたい。
そんな気持ちもあったが、恥ずかしさ故に何事もなかったかのように目を反らした。
しかし、やはり彼女の事が気になった俺は意を決してもう一度彼女の方へ振り向いた、が既にその姿はなかった。
そこで、胡桃 鞘子との初対面は終わってしまったのだがこの時俺は見事に一目惚れをしてしまっていたのだ。
彼女の好きな所はどこですか?
いつかそんな質問をされた時、俺はポニーテールの髪の似合う彼女がとても大好きだと言う事に決めている。
それは、彼女が入学当初からしている髪型であった。
彼女と話がしたい。
体育祭や文化祭からクラスの合同授業まで事ある行事やイベントごとにそんな期待を寄せていたが、その願いが叶う予定はなく、最後はいつも遠目から見ているという結果になってしまっていた。
二年になってもこの平行線は変化は生まれない、はずだったが実はごく最近に俺の元に一生に一度のチャンスが訪れていた。
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