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ゲーム機を机に置いた翔は俺をまじまじと見つめ、手の平を口で覆ってもの凄く真剣に考えているような、そんなリアクションを取った。
「 真十郎……。
お前、ひょっとして……バカなのか? 」
「 俺はバカじゃない!
バカと言うよりユニーク、と言って欲しいね 」
翔は憐れみを含んだ哀しい目をしながらぽんぽんと肩を叩いた。
「 自惚れも程々にしておこうな……。
自分で言っておいてちょっと恥ずかしいな、とか思ってたりするんだろ?
そうだ。
最近、道端でメントスのような物を食べたりとか炙って吸い込んじゃったりしなかったか? 」
「 そうじゃない、本当だって!
信じてくれよ! 」
俺が話しているのは本当の大真面目な話であり冗談を言うような余裕もないしそういう気分でも無い。
肩に乗っかった手を振り払い、翔に訴えかけるように睨みつけた。
すると翔はため息を付いた後、椅子に深く腰掛けた。
俺の切実な思いという気迫に押されたのか、または面倒なヤツの相手をするのはうんざりなので、とりあえず話を聞くだけ聞いて後は流そうという魂胆から出たのかは分からないが一応話だけは聞いてもらえるようだ。
「で、いつからストーカーの被害に遭ってるって気付いた? 」
俺は眉間に皺を寄せ、記憶のフォルダを掘り返す。
「 つい最近。
道端を歩いてると後ろから靴の音がコツコツ……コツコツ……って聞こえるんだ 」
「 典型的なストーカーかよ……」
「 後、夜中に何度も電話が鳴り続けたり…… 」
「 あーそりゃ、お前のお袋さんがしてる借金の催促の電話だろうよ、きっと」
「 ま、マジかよ……? 」
「 うそ、嘘だ。とりあえず携帯しまっておこうな 」
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