旅ノ始マリ

2/23
前へ
/33ページ
次へ
  人生ってのは本当に行き当たりばったりだ。 今まで過ごしてきたマッタリとした日々が、このままずっと続くと思っていたのに。 それは無情にも、しかもアッサリと、なくなってしまう物なのだ。 俺はいつも通り、毎週テレビから流れている【赤いギャラドスを追え!】という番組を見ていた。 その日からだ。 俺のニート人生が音を起てて崩れ去ったのは。← ――――――…‥ 「以上、×××でした」 あ~、結局今回もギャラドス見つけられなかったのか。もうマンネリ化して飽きてきちゃったなぁ。 この番組、いつになったら終わるんだろ? まぁ、終わらなくても別にいいけどさ。 …さて。 やることもないし、下にいる母さんに飯でも作ってもらおうかな。 母「あら!N2k.!」 階段を降りるなり、母さんが大声で俺を呼びながら駆け寄ってきた。 …うん。いつもキレイだね、母さん。← 「へ? 何か用?」 母「何か用?じゃないわよ! さっき たくあん君があなたを呼びに来たわよ?」 ふぅん。 俺に何か頼み事でもあんのかな。 あ、ちなみに【たくあん】は「一応」俺の友達だ。 母「何だかよく分からないけど、大急ぎなんだって!」 母はそれだけ言うと、そそくさとテレビの前に戻ってしまった。 たくあんが大急ぎなのはいつもの事だしな。 …でもまぁ、嫌だけど行ってやるべきか。 昼飯はその後でも大丈夫だし。  ガチャ  
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加