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~SIDE ピクシー~
亮が与えた物置の中は狭いながらも亮が契約した悪魔がゆっくり過ごせるようにソファや絨毯が配置されており、その隅にはピクシー専用の箱が置いてあった。
ピクシーはその箱の中を全て出し、それらを眺めてため息をついた。
「やっぱ、あんなバイトじゃそんなに沢山お金は貯まらないよねぇ…」
最近では、ピクシーだけでの外出も時々できるのでその機会を使ってピクシーはあるバイトをしていた。
それはピクシーという種族の悪魔が人気だった事がラッキーとしか言いようのない事で、世間にはピクシー好きな人間が案外と多く、街中をふわりと飛んでいたある日に声をかけられた事がきっかけであった。
声をかけたのは人間の女性。日ごろから可愛らしいピクシーが大好きだと言い話しかけてきた。
少し話をして気分をよくしたピクシーはその際にサービスで投げキッスをしたところ、お礼に通貨であるマッカをくれたのだ。
あからさまに異常な気配の男性などには近づかないのだが、時折そうして人間に投げキッスをしてチップを貰い、それをコツコツと貯蓄していたのだった。それもバレンタインデーに亮へプレゼントを買うために。
チョコレートの存在は亮と出会って知ったが、好きなものの事は知りたいという欲求から種類など調べてみるとこのバレンタインデーという人間が行うイベントを知る。
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