Valentine's Day Kiss1

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「はーい!呼んだぁ?…って、ここ邪教?おじさんこんにちわぁ!」 「おぅおぅ、こんにちは。いつも元気で可愛いのう~」 人間には興味もないくせに、悪魔にはデレデレなこの主の姿を何度見ても慣れる事がない。これがピクシーのような小さい悪魔だけではなく、大型のグロテスクな悪魔にも同じなので悪魔そのものへの愛情しか持っていないんだろうなぁと思われる。 「え?体調?アタシは元気だよ?」 「だよねぇ~主が何か異変はないかって聞いてるんだけど。」 「異変…変わった事ってことよねぇ~あ、そういえば…」 「なんじゃ?怖い事はないぞ?言ってみるがいい。」 「ちょっと前からなんだけど、魔法が暴走しそうになる時があったり、羽根がひきつる感じがするの~でも、ちょっとだけだし、危険な感じはしなかったからあんまり気にしてなかった!」 「ほう、やはりか。」 「え、どういう事なんですか?」 ふむと呟きながら主はその長い白髭を片手で掴んで上から下へと撫で下ろす。 「どうも、悪魔には成長があるようでな。」 「ん?成長はしてますよ?」 「そうではなく、種族そのものが変化するようなのじゃ。」 「はいぃ?!」 「この場合、進化と言う方が正しいかもしれん。」 「何をしたら進化するんですか?」 「それはまだ研究中でな、ただ相棒として長い時間一緒に過ごしている悪魔には確実にその進化が訪れている実績があったので今回おぬしに聞いてみたわけじゃ。」 「なるほど、それで呼び出したんですね…」 詳しく聞くと、悪魔にもその種族の中でランクがあるようで何人かのDBから報告がきていたそうだ。 病気にかかったと思い邪教へ駆け込んだ様子は安易に想像がついた。ついでに異変を起こす悪魔を嬉々として見る主の姿も。
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