Valentine's Day Kiss1

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「じゃ、この子も進化する…というわけですね?」 「進化はその種族の中でも上の悪魔への成長を意味するので、魔法の暴走などはそういう兆候と見てよいじゃろう。ところでおぬし…ものは相談なんだが、その進化のエネルギーを邪教に提供する気はないか?進化の際には大きなエネルギーが放出するのでそれを調べたいのじゃ。しかし、そのエネルギーを邪教で回収してしまうとピクシーは進化しないままの姿になってしまうのじゃが…」 「いやですよ、この子が進化するのならその流れに任せる方が自然でしょうし、何よりこの子の意思が一番大事です。ピクシーはどう思う?」 「アタシ?うーん、研究されるのは怖いから…」 「ってわけで!このお話はなかった事にして下さい。」 「まぁ待て、ゆっくり考えてくれ。もちろん報酬は弾む!今までどのDBも協力してくれなくて困っておるのじゃ!!」 「報酬?そういう物を目的で亮がピクシーを材料として提供すると思われているのなら心外ですよ?」 「いや、わかっておる。しかし、邪教としても重大な事なんじゃ。よく考えてくれ。」 断る以外の返事が出ない限り邪教から出さない空気を出す主相手に亮の意見は平行線をたどり、言い合いにかなりの時間が経過した。 「…わかりました、お話としては伺っておきます。ただ、いいお返事はできないと思いますからね。」 「この研究で今後の仲魔の合体などによい成果を残せる可能性が高いんじゃ、ピクシーはハイピクシーに進化した実績がある、よく考えてくれ。」 食い下がる主を引き剥がしてなんとか邪教を出る事ができた。 「進化…ねぇ~」 「亮はアタシがもっと強い方がいい?進化しない方がいい?」 「いや?どのみち、戦闘はいつも亮が主体の動きだからねぇ~今が弱いって言う意味じゃなくてね。今でもそのスキルはかなり強くて助かるし正直に言えばずっとその姿のままだと思ってたから、ちょっとびっくりしたかな?ま、どっちになろうと中身は同じ子だからね!いい意味でどっちでもいいよ!どうなっても大好きだからね~!」 「アタシも亮が男の人になってもきっと好きだよー!」 「…ごめ、それはないから…あ、丁度いいからバザーで掘り出し物でも探そうか!」 「うん!」 第三ホーム内のバザーエリアで大はしゃぎしながら露店を見て買い物をし、帰宅していく事で亮の中から邪教の件など吹き飛んでしまっていた。
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