-序章-

10/13
前へ
/165ページ
次へ
 あれから五年。留学先での生活が忙しかったのかずっと連絡はなかったのだ。 「三人で会うのは久しぶりだな……」  親友との久しぶりの再会に悠も嬉しそうである。 「日本に帰ってくる日付と飛行機の便が書かれているね。迎えに来いって事なのかな?」  そう言って冬樹は聡史からの手紙を悠に渡した。手紙を受け取ると悠もざっと目を通す。 「そうか。それは楽しみだな……ん?」  ふと悠は最後の一文に目が留まった。ハッとした顔をしている悠に、冬樹はどうしたのかと訊ねる。 「最後の一文、読んだか?」 「最後の一文?」  冬樹は悠から手紙を受け取ると最後の一文を見た。その言葉に冬樹もハッとなる。  そこにはこう書かれていた。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

208人が本棚に入れています
本棚に追加