-序章-

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 聡史との約束。それは五年前、聡史が海外留学をする直前に悠と冬樹が聡史と交わした約束である。どうやら聡史は忘れてはいなかったようだ。 「約束って……聡史、覚えていたのか……」 「当たり前だろ……言い出したのは聡史なんだからな……」  その言った本人が忘れていたら目も当てられないと悠は思う。 「まぁ確かにねェ……」  と、小さく呟いた時。冬樹は何か思い出したかのように「あっ」と声を上げた。  さっき悠がラーメンを持ってきた時の光景、そして聡史との約束。一見関係なそうなこの二つの出来事だが、それが一体なんなのか冬樹は思い出したようだ。
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