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悠もそれなりに仕事が忙しいため、買い物は週に一度、しかも特売日である火曜日の夜に行きまとめ買いをしてくるのだ。だから冷蔵庫にはそれなりに食材は揃っているのだが、来週の火曜日まで買い物に行けないとなると献立の予定が狂ってしまう。
とりあえず今後の献立に影響がない程度に食材を選ぶと、簡単な夕食を作り始めた。キッチンから小気味よい包丁の音が聞こえてくる。
「何だかこうしていると新婚さんみたいだね、僕たちって」
ダイニングテーブルの上で頬杖をつきながら、冬樹はニコニコとキッチンに立っている悠の姿を見た。対面キッチンになっているため、悠は訝しげな顔をして冬樹を見る。
「以前も同じ事を言ったことがあったな……」
「そうだったっけ?」
不思議そうな顔をして冬樹は顔を上げた。どうやら思い出せないようである。
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