蒼色ノスタルジック

－序章－

　うーんと考え込んでいる冬樹をよそに、悠は晩ご飯を作り続けた。手際よく料理をし、あっという間に二人分の夕食を作り上げる。

「できたぞ」

　トレイに乗せて運ばれてきたのは中華どんぶり二つだった。どうやら本日の夕飯はラーメンのようだ。しかも先ほど袋を破る音が聞こえてきたから、恐らくはインスタントラーメンなのだろう。

「うわー、インスタントラーメンなんて悠らしくないー…」

　手を抜いたね？とテーブルの上に突っ伏してジト目で自分を見上げる冬樹に悠は呆れたようにため息をついた。

「仕方ないだろ……買い置きがこれしかなかったのだからな……」

　それでも一手間加えてあるため、ただのインスタントラーメンの味ではないようである。