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危ない危ない。
なんとかマサル君からの追求を逃れ、私たちは職員室を最後に紹介して、校舎案内は終わった。その後マサル君は別方向、ということで、私は平和を勝ち得た。
私でも、知られたくないことはあるのだ。
誰だって、秘密のひとつふたつあるように!私には知られたくないことがある!
……三人は知ってるけど。
三人並んで家路を歩く。
私はさっきのことで、溜め息が漏れた。
「はぁ……まさか、私が剣道の道場の娘ですーなんて。言えないって……」
「まぁなあ。イジメられたら全部打ち負かし、師範に鍛えられたおかげでテツより強いし」
「うっかり言ってしまった中学じゃ、鬼の宇佐見、なーんて呼ばれたんだっけ?」
「煩いなあ。またけちょんけちょんにされたいのかしら、テツ」
「……権力を振りかざすのはよくないです先輩」
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