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家を一歩出たら、同じ顔が2つちらっと見えて、溜め息を吐いた。
これで、1ヵ月か。
「おはようさん」
「はよっ」
「おはよう。タツ、テツ」
のんきに挨拶した方がタツで、元気いっぱいな方がテツ。
2人は本当にそっくりだけど、髪を染めているから見分けは簡単だ。オレンジみたいに明るい色と、チョコレートみたいな甘いブラウン。
どっちがどっちが、すぐ忘れるけど。
私が歩き出すと、2人は私を挟むように歩き出す。
最初は騒いだけど、もう慣れてしまった。隣でモテているキラキラした双子が、騒ぎながら歩いていることに。
「なーなー! 今日の宿題やった?」
「テツ、昨日やっとけって言っただろう」
「あ、やってない」
「やった。宇佐見さんと仲間だあ」
「えーまじで? なら見せてあげるよ」
「うわ、タツ酷ーい。俺には見せないのに!」
「あ、あはは」
あと、私には凄く優しいことも。
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